SEに求められる役割とスキル
SEの役割とは
スキルシートを魅力的なものとするためには、SEの役割や求められているスキルを明確に理解しておく必要があります。
クライアントからの依頼を受けてシステム開発を行うのがSEの仕事です。クライアントの要望すべてを完璧に実現するのではなく、漠然としている要望を形にするためにはどのような方法が現実的かをSEが提案します。もし応えられない要望があれば、理由をわかりやすく説明しなければなりません。それでも要望を通したいという結論になれば、その場合のリスクについて説明します。
SEはシステム開発プロジェクトの最初から最後までをまとめる管理責任者という立場に位置づけられています。システム開発の流れはヒアリングから始まり、要件分析、仕様策定、提案、設計、コーディング、テストまですべてクリアしたら納品というのが基本です。最初に行われるヒアリングでは、クライアントが実現したいことをできる限り把握し、完成したシステムのイメージを共有します。その後システム提案書と見積書をクライアントに提示し、受注が確定したら設計を行います。設計が固まったらコーディングとテストを行い、動作に問題がないことをクライアントと一緒に確認したら納品となります。クライアントとの折衝、プロジェクトの進捗、売上の管理など、SEには多くの役割があります。
必要なスキル
SEはプロデューサー的な仕事がメインの職種ですが、プログラミングのスキルもある程度のレベルに達していなければなりません。ただし、プログラマ並のスキルが絶対に必要というわけではなく、スキルがあれば仕事に役立つという程度です。また、IT系の情報発信は海外発のものも多いことから、海外とのやり取りがあるSEには専門分野の情報を読み込めるだけの英語力も必要です。
それに加えて、時間管理能力やコミュニケーション能力もSEにとって不可欠なスキルです。時間管理の甘さから納期の遅延が発生すれば、クライアントからの信頼を一気に失ってしまうでしょう。信頼喪失はチャンスの喪失につながるため管理責任を担うSEにとっては大きな痛手となるミスです。
このようにSEには多くのスキルが求められていますが、中でも特に重要なのはコミュニケーションスキルです。クライアントの要望を正確に把握するためにもコミュニケーション能力が欠かせないからです。プロジェクトメンバーに的確な指示を出してスムーズな進捗へと導けるかどうかも、SEのコミュニケーション能力にかかっています。もしコミュニケーションが不十分だと、スケジュールの遅延や成果物のクオリティ低下、深刻なトラブルなど、致命的な問題が発生してしまう可能性があります。さらに、業界の動向や最新技術の情報をシェアするための人脈形成にも高いコミュニケーション能力が必要です。